サマニー

米国 FDA プロセスアプローチについて

Michigan Department of Agriculture
Training Program for the Professional Food
 Service Sanitarian

ハザード分析を実施する際、食品メーカーでは通常、一つの製品の流れに従ってハザード分析を実施します。これは食品メーカーでは一度に一つの製品だけを取り扱うのが普通だからです。

しかし、リテール分野では、すべてのタイプの食品が、同時に処理されて、最終のレシピまたはメニュー品目に沿って、盛り付け、提供されます。

このためリテール分野のハザード分析には、従来とは、異なるアプローチの仕方が求められます。

ある調理プロセスに共通した方法、あるいは、プロセスをカテゴリー毎に分けて、ハザード分析を実施するやり方が、大変実情に即した方法に思えます。

これを「プロセス アプローチ」と名づけました。

 (1)プロセスアプローチの概要

ミシガンガイドの目的、 新しいアプローチ、 メニューのグループ化

米国の産業界と当局は、20年以上にわたり、レストラン、食料品店、その他リテール施設へのHACCP原則の適応について調査してきました。

この調査では、”HACCPの原則をこの業界に適応させ、しかも営業内容が多様で広範なこのリテール業界で、HACCPの原則をどの様に導入しうるか?" に注がれてきました。

その結果、HACCP原則のリテール分野への導入が、食品の安全性を管理するために便利なツールである事を発見しました。

その結果開発されたのが、米国 FDA プロセス アプローチ です。

プルセスアプローチとは、施設内の多くの食品の流れを、いくつかの幅を持ったカテゴリーに分類し、そのカテゴリー毎にハザート分析を実施、各カテゴリー毎にハザードを管理、コントロールする方法と言うことができるでしょう。

(2) リテール分野への適応

 

3つの分ける、 3つに分けてHACCPで管理、 リテールのハザード分析

ハザード分析を実施する事は、原料の受入れから提供までの、食品の流れの、どこに大きなハザードが潜在するかを推定し、決定するために重要です。

ハザードの存在を明確にすることにより、プロセスの各段階でハザードを管理、コントロールする事が出来ます。

例えば、クイック サービス、フルサービス、および施設への食品供給者は、食品サービスの主要な事業者であります。しかも、これらの事業者は、独自の食品安全プロセスをそれぞれ持っています。

しかし、彼らの食品安全プロセスは、惣菜の販売部門(デリカテッセン)とは異なる場合があるでしょう

実際には、3つに分けたプロセスすべてを持つ事業者もあるだろうし、変化した形態を採用している事業者もあります。

自社に特有な食品プロセスをまず明確にすることが、食品安全マネジメント システムを開発する為に重要です。

(3)  なぜリテールHACCP?

ハザードの見える化、 有効性の証明、 想定外のハザードの管理

食品安全システムの開発では、原材料の受入れから、提供までの食品フローの中に存在するハザードを同定する必要があります。ハザードは次のようなものを含みます:

メニューを3つのグループ分けることにより、各プロセス毎に関連するハザードを同定することができます。

各プロセスのハザードを同定することによって、CCPと許容限界を決定する事が出来ます。

ハザード分析を実施するための、もう一つのステップは、特定のメニューと関連するハザードを理解し、フード・コードに規定された許容限界を遵守することです。

(4) ハザードの管理

施設内全体のハザード、 プロセス123、 リテールへのHACCPの導入 

リテール分野のHACCPシステムは、各プロセスの全てのハザードにたいして食品安全のコントロールを提供しなければなりません。

ある作業、例えば加熱、にはいくつかの異なる食品に関係する、いろいろなハザードをコントロールする手順が必要とされます。

従って、一つの作業工程が、複数の異なる原料に起因する様々なハザードに対する、許容限界を持つ場合があります。

たとえば、鶏肉は加熱工程でサルモネラのコントロールの為に 165F(73.8) 15秒間の最終内部温度を必要とされます。

しかし、牛挽き肉は、大腸菌 0157:H7 のコントロールのために、155F(68.3) 15秒間の最終内部温度を必要とします。

しかしながら、冷蔵保管や高温保持では、すべての食品に対して許容限界や適用される手順が同じものもあります。

リテール施設で処理される食品は、次の三つのプロセスに分類出来るでしょう。

受入 準備 提供

(他プロセスがあるかもしれないが、加熱工程はありません)

受入 準備 加熱 保持 提供

(解凍を含む、その他プロセスがあるかもしれない)

受入 準備 加熱 冷却 再加熱 保持 提供

(他プロセスがあるかもしれない、しかしカギは危険温度帯の通過を繰り返す点である)